ベートーヴェン
交響曲第9番ニ短調作品125
ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン
録音:1985年3月30,31日、ゼンパー・オパーにおけるライブ
LASERLIGHT(輸入盤 15 826)
録音されたのは1985年3月30,31日。これはゼンパー・オパー再建記念コンサートの模様を収録したものなのだ。
ドレスデンは、1945年3月13日から14日にかけて、英軍を主力とした連合軍の悲惨きわまる爆撃に会い、市内は
灰燼に帰した。爆撃機による被害だけではすまなかった。英軍の戦闘機は酷寒の夜、逃げまどう一般市民を低空飛行
で追い回し、機関銃で皆殺しにしたと言われている。死者の数は35,000人を数えた。ドレスデンは地図上から消滅
しかかったそうだ(ナチス・ドイツが国外で行った蛮行に比べれば、ものの数ではないかもしれないが)。
ゼンパー・オパーもその空襲で焼け落ちている。市の中心にあり、ドレスデンの象徴であったゼンパー・オパーは
外壁を残して完全に崩壊したのだ。幸運なことに、外壁が残されていたので、旧東ドイツ政府は国家の威信をかけて
、外壁が残されていたので、旧東ドイツ政府は国家の威信をかけてゼンパー・オパーの再建を始めた。
私は、クラシック音楽を聴いていてよかった、と思う時がたまにある。このようなCDに巡り会ったときだ。理屈抜きですばらしい。そして歴史的背景を知ると、なお演奏者達の演奏にかける心意気が伝わってきて感動する。そうなのだ。この演奏は
多分に浪花節的なのだ。今は亡き旧東ドイツの成立から、その国家としての頂点までがこの演奏に集約されているのだ。