まだクラシックのイロハも分からない、ファンになりたての大学生の頃、
カラヤンの最後の来日公演があり、今思えばミーハーな気持ちで
チケットを求めたがもちろん手に入らなかった。

ムラヴィンの実演にとうとう接しなかった私は、
ムラヴィンの活動期間があと十年長かったら、ロシヤにだって聴きにいったのに、
ぐらいの気持ちはある。
地方都市に暮らしていると、例えば中学生や高校生の時にメジャーなクラシック演奏家に
親しむといった経験は、非常に難しい。

今の三十代後半がムラヴィンの実演に接した最後の世代だろう。
65年生まれの許光俊はムラヴィンのワーグナーの実演を聴いたと自著に書いているが、
同じページにスタンハンセンのラリアートに同じように感動したとか書いていて、
64年生まれの私も同世代的なネタとしてはよく分かるのだが、
中学生にムラヴィンスキーの芸術の本質が本当に分かったのかどうか、
と思う。

73年のムラヴィンの、
リアルでクリアな映像があるなら切に観たいです。
今後の展開に期待します。