ヴェデルニコフがひいたピアノ・ソナタ第2番が再発売された。
これは、まさに驚くべき名演奏である。
第1楽章の冒頭からして、ぜんぜん違う。
何か大きな悲劇が始まるような、そんな暗い出だし。
第1主題も第2主題も剛毅なカンタービレに満ち、
聴き手をぐいぐいと音楽に引っ張って行く。
注目すべきは第3楽章である。いわゆる葬送行進曲。
この楽章が、これほど巨大な音楽として再現された例を知らない。
これは、一人の偉大な英雄の死なのだ。
そして第4楽章。この、とりとめもない短い音楽が、
ここでは情念の激しいうねりとなっている。圧倒的な終止。

その他、バラード第1番もまた、緩急自在な、比類ない名演である。
これはぜひとも入手していただきたいCDである。