もともと平均律と純正律は別の音体系で、純正律になじむということと、ピッチの
差がわかると言うこととはまた違う。バッハ以降の音楽をやるなら平均律に一生身
を委ねるべきである。

純正律がユークリッド幾何学であり、平均律は非ユークリッド幾何学であるといえば
わかりやすいだろう。純正律における4:5:6という三和音の黄金比は平均律では成り立たないが、
そのかわり平均律には24の調の対等性とエンハーモニック転調というワープ効果が
可能である。それは古典的な幾何的比率(響き)の調和とはまた別の、近代的合理主義
の調和である。