チェンバロはたぶん20年近く前の初来日の時から、某教授の楽器を
使っていますね。だから某教授が何台も同じビルダーの楽器を持っていない
限り、jcbの演奏会と同じ音のはずです。

航空公園ではチェンバロとオルガンで弾かれたブクステフーデが、
演奏会の山場を形成していました。ト短調の前奏曲ではチェンバロの
ストップの切換でオルガン以上に曲の構成をくっきりと描いて見せていまして。
オルガンのハ長調の前奏曲はお客さんが「待ってました」って
感じで、冒頭のペダルソロに期待を寄せていたんでしょうが、
案外あっさり。個人的にはクープランの修道院ミサの音栓の選択が
なかなか色彩豊かで面白かったですね。バッハのパッサカリアは
低音主題のリズムを強調してスマートに聞かせてくれました。

関口の教会は、なにしろ響きすぎるホールですからコープマン特有の
鋭いアーティキュレーションが間接音の中に埋もれて、チェンバロが
まるでオルガンのように響いていました。8+8を基本としながらも、
頻繁に音栓を切り替えてコントラストをくっきりとつけた演奏。
冒頭のスウェーリンクからゆったりと自ら音を楽しむようなフレージングで、
快調な出足。フォルクレのルクレール、前日と同じブクステフーデ、
ルイ・クープラン等々、悠然と音楽を語っている気がしました。
もう、技巧をひけらかす必要がない人の演奏と言ったらよいでしょうか。
ひたすら自分の楽しみに浸りながら、それでも聞き手の共感を呼ぶ演奏だったかな。