>>589
カール・リヒターの死亡日は1981年2月15日です。
(2月17日ではありません。)


『カール・リヒターとの別れ』
ミュンヘンのバッハ愛好家達は、カール・リヒターがチューリッヒで
埋葬される前に、堅い絆で結ばれていたリヒターに別れを告げた。
長年リヒターがオルガニストをしていた聖マルコ教会は、この偉大な
音楽家の葬儀に参列しようとする大勢の弔問客を、ほとんど収容しき
れないほどであった。これらの弔問客の中には、歌手のディートリッ
ヒ・フィッシャーディースカウ、ヘルタ・テッパー、キート・エンゲ
ン、オーギュスト・エヴァーディンク、アルフォンス・ゴッペル、ユ
リア・ハマリ、メチヒルデ・サヴァリッシュなどが含まれていた。
荘重で威厳に満ちた葬儀の礼拝で、いわばみなし子同然に今はなって
しまったミュンヘン・バッハ合唱団はJ.S.バッハを歌った(先週
リヒターが同合唱団と練習したモテット<汝恐れることなかれBWV228>
が曲目だった。)
若い頃のリヒターの最初の後援者の1人であるヴェルナー・エックは
感動的な言葉で、音楽的な友情について語り、リヒターと最後にドイ
ツ国内演奏旅行に同行したオーレル・ニコレは恵まれた芸術的な共演
について、そして芸術奨励者ヘルマン・ヨーゼフ僧院長は、この偉大
な天才的バッハ演奏家が世界中のファンに忘れ得ぬ時間を与えたこと
に対して感謝の言葉を故人に捧げた。
この感銘深い式典を通じて、ミュンヘン市民は、ミュンヘンで活動し
たこの偉大な人物カール・リヒターに感謝と敬意を示すべきであるこ
とを忘れないだろう。
(1981年2月21日 ミュンヘン・ターゲス・ツァイトゥング誌)