久しぶりに松平の曲をまとめて聴いた。
「主題と変奏」は、やはりなんというか折衷的というか時代のなせる罪と
いうか、ちょっと恥ずかしいところもある。
だけど、その後の曲の摩訶不思議、異様な世界は人生半ば過ぎに
してやっと「これこそ私の世界」というものを手中にした作曲者の
個性が開花してると思う。そして、どこまでいってもエモーショナルに
ならない乾いた響きは、時にもうちょっとエスプレッシーヴォな
瞬間が欲しいと思うことはあっても、淡々と聴き続けていると麻薬の
ような効果があると思う。
伝統的な雅楽も聞いたことがあるけれど、松平の後期諸作品は雅楽は
あくまで素材であって、決して雅楽の編曲なんてものじゃない。むしろ
前衛音楽そのものだ。