合唱団総員 傾注!
諸君 夜が来た
無敵の現役諸君 最古参のOB諸君 万願成就の夜が来た
演奏会の夜へ ようこそ!
指揮を振れ! 男声合唱の堰を切れ! 諸君!!

第一ステージは多田武彦全曲!
柳河風俗詩! 雪と花火! 水墨集!!冬の日の記憶! 中原中也の詩から!
尾崎喜八の詩から! 東京景物詩! 吹雪の街を! 北斗の海!
雨! 蛙! 中勘助の詩から!
雪明りの路! 白き花鳥図! 三崎の詩!
わがふるき日の詩 海に寄せる詩 航海詩集 遠き母に 全て歌え

優しき詩! 若しもかの星に! 追憶の窓!
『指揮者殿! 在りし日の詩は?』
暗譜しろ! 当然だ 感極まる ソロは外すな
『富士山はいかがしますか指揮者殿!』
燃えつきろ ひこる奴は倒せ
北陸にて 北国にて 山村暮鳥の詩から 全部暗譜しろ 地味だ
『草野心平の詩からは?』
まい落ちろ 第二、第三もだ 宇宙線驟雨の様に
『蛙第二はどうしましょうか』
なかったことにしろ

かまうものか 目についた楽譜は 片端から音を取り
目についた音源は 片端から聞け 存分にハモり 存分に吼えろ
この人口1800の客席は 今宵 諸君らの 歌声の虜と成り果てるのだ
さあ! 諸君!! ハモったりハモらなかったり 感動させたり眠らせたりしよう
さあ エールを歌おう 演奏会は遂に 今宵・此の時より開かれたのだ
『乾盃!! 乾盃!!』