今回の公演では、フランツに一番の拍手を送りたい。
最後まで衰えないパワーもさることながら、柔らかいみずみずしい響きが特にすばらしかった。

思うに、昔のヘルデンテノールは成熟した大人の男性としてのジークフリートだった。
舞台に出た最初から個性は確立されてしまっていた。
コロは、成熟を目指した青年としてのジークフリートだった。

しかし今回のフランツは、(史上初めての?)未熟な少年のまま英雄になってしまった
ジークフリートだったのではないか、そしてこのフランツの役作りこそ、
実はワーグナーのドラマに最も忠実なのではないかと思った。