セルとの共演は、55年のアメリカ・デヴューの2年後の57年初期ですかね。
ベートーベンの2番とシェーンベルクだったそうですが、リハでセルは
グールドのいつもの調子の椅子の調整にいらついて『君のデリエール[お尻]を
16分の1インチ、スライスしたらリハを始められるんだがね!』と皮肉った
とか… 宮澤さんの記述です。
私にとってはセルは59年頃、学校をサボって公園や河原で
トランジスター・ラジオで良く聴いたFEN[現AFN]では常連でしたので、
北米ラジオネットで人気だった筈ですが、
さすがに57年にグールドとの共演が放送に乗ったかは知る由もありません。
しかし、どこかに音源が残っていてそのうちヒョコっと出たりすると良いですね。
この年のソ連ライブ他も後からあれだけ出てきたんですし。

退屈な長莫迦話のお詫びに、
レニングラードからグールドが愛犬『バンクォー』に送った葉書[57.5.17付け
〜宮澤氏訳]はご存じ無いも居られるかも知れませんのでちょっとご紹介。

『バンクォー殿 きっとソ連の犬について知りたいんじゃないかな。
本当にほとんど居ない。大半は戦争中に殺されてしまったんだそうだ。
その時以来、ペットを飼うのはとてもブルジョアな事だと思われているらしい。
それでも一番よく見かけるのは毛を刈り込んでいないプードル。
雑種はいくらか居るけど、コリーとおぼしき犬は一匹も居ない。
君がここに居たら我が物顔で街を闊歩できるよ。
今朝ボクの部屋の外でネコがけんかしてたけど、こいつを邪魔して欲しかったな。
お皿をきれいにして、いい犬でいるんだよ。 〜GG』