全くグールドを聴いたことのない人に、「この一枚」といわれたら、
漏れは、バッハの「六つの小プレリュード・小プレリュード・三つの小フーガ」
のCDをお薦めする。
亡くなる前の、79・80年の録音だが、グールドのたどり着いた境地を
まざまざと実感出来るし、とにかく有無をいわせぬ説得力あるバッハだ。
パルティータやゴールドベルクも、若きグールドの偉大な遺産だが、
バッハに関しては、漏れはこの演奏が一番凄いのではないかと思う。
バッハでなかったら、初心者には、ベートーヴェンの「バガテル」を薦めたい。
これも、導入編としては、いい演奏である。
ディープな世界に嵌った人には、ヘンデルの「ハープシコード組曲」を、
LPで聴いてほしいと思う。とにかく、チェンバロで弾かれた、最高のヘンデルだ。
いかにグールドが「鍵盤楽器」について知悉していたかを、納得させられる。
ブラームスも勿論いい。後は、コンサートドロップアウトする前・後の、ライブや
放送録音だね。はずれがほとんどない。ことに、1967年11月23日と1956年1月17日の、
バッハリサイタルの放送録音は、素晴らしい。正規録音のない、「フーガの技法」
が見事。
やれやれ、興奮するねえ。