[318] 沼尻氏の名フィル常任指揮者就任に一言。 BY 落胆者 TIME 02月25日21時50分

沼尻氏の就任、確かに喜ばしいことである。
頭がよく、耳がよく、ピアノが上手く、若く、実績もある・・・
その実力は誰もが認めるところである。
ただ、一つ気になることがある。
一昨年、メンデルスゾーンの第2交響曲を演奏したときのこと
だ。演奏会の前日、マエストロサークルで氏は曲の解説をした。
ある会員の、「作曲者の何歳ごろの作品ですか?」という質問に
対し、氏は、「調べてないから分からない。2番だからたぶん若
い頃じゃないの。」と答えていた。
メンデルスゾーンの交響曲の番号は出版順であるから、2番とい
っても後期(最後から2番目の交響曲)の作品なのである。(後
期と言っても、作曲家は若いが。)
私は驚いた。確かに曲を演奏するのには関係ないかもしれない。
だが、疑問は残る。それでいいのか。
近時の研究では、メンデルスゾーンはユダヤ系であるがゆえに、
種種の差別を受けたらしい。父の代でキリスト教に改宗し、
バルトルディーというキリスト教名までもち、ドイツ民族に同化
しようとした彼の一族。そして、ユダヤ系でありながら、キリス
ト教の宗教曲の作曲に意欲を燃やした彼の短い人生。そう考える
と、あの第2交響曲「賛歌」はやはり彼の「信仰告白」であった
のだろう。「たぶん若い頃の曲じゃない?」の一言で片付けられ
るものであろうか。