『セメレ』にも『エイシスとガラテア』にも出てゐるのがノーマ・バロウズと
いふソプラノで、この人、悪くないのだが、『セメレ』のタイトルロールには
およそ向かない。明白なミスキャスト。『セメレ』って、ヘンデルの
オラトリオとしては例外的なほどタイトルロールが出づっぱりで、恋を
貫いて(罠に落ちて)焼け死ぬ、っつう強烈な役なのに、バロウズは
とにかく可憐さが身上のソプラノなのだ。いまだったら
セメレにぴったりのソプラノはいくらでもゐるだろうけど。