>>310

 また、「マリアカラス 世紀の歌姫のすべて」(音楽之友社刊)でもトスカニーニ
とのエピソードは記載しているがメネギーニの本を元に書いているので、>>307さん
がおっしゃっているとおり、随分と内容が異なっている(p68参照)。

 トスカニーニがカラスを抜擢したのは、知人を介してカラスと会った時、
カラスの声を絶賛したからと記載している(1950年)。しかし上演する予定
だった、1951年のものは、「ある種の策略の犠牲になって」(メネギーニ)
上演が実現されなかったらしい(>>310で挙げた本によれば、>>303さんが
おっしゃっている通り、トスカニーニの健康状態の悪化が原因としている)。
 その後、カラスが言葉を交わしたのは、1954年の「ヴェスタの巫女」の
リハーサルの時とのこと(>>310の本では本番の話になっているが?)。

 ただ疑問に残る点はいくつかある。
 メネギーニによれば、その時、トスカニーニが絶賛したのでカラスの価値
がスカラ座の人に認識されたと言っているが、これも事実に反している。カラスは
その5ヶ月前にデバルディの代役としてスカラ座デビューを果たしてるし。代役と
いうことは認められたということだと思うが?(実際ほとんどの大歌手は、代役と
して登場して認められているし)
 またトスカニーニという人は、竹を割ったような性格で表裏がない人だから、
>>310で挙げた言葉に裏があるとは思えない。そう考えると、1951年の「マクベス」
でどうしも誰かを抜擢しないといけないという事情で、急遽、知人を介して
カラスを選択したと考えた方が無難だと思うが?多分、トスカニーニは、カラスの
家に出向く前に既に、自分が納得する一定のレベルに達していれば、OKだと決めていた
のではないかと思う。(つまり絶賛というのはメネギーニの誇張だと思うが)。

 どちらにせよ、トスカニーニがもし椿姫を50年代に振っていたとしたら、(トスカニ
ーニのその考え方からして)、カラスは抜擢しなかったと思う。ただイタリア語以外の
オペラをもし振ったとしたら、多分抜擢していると思う(あくまでイタリア語の問題
だけだから)。