俺の叔父は貿易会社の社長をやってるんだが、数年前に商談でイラクに
行ったとき、フセインと二人で会食する機会があったそうだ。

フセインの怖い噂を聞いていたので最初はビクビクしながら話していた
叔父も、話しているうちに、いやこの人、結構いい人じゃないかと感じ
てきたそうだ。

それで思い切ってフセインに、「あなたは色々悪いことをやったと世界
中で言われているが、本当にそうなのか?」と聞いてみたそうだ。

そのとたん、フセインは目からポロポロ涙をながし「違う、私は本当は
平和を愛する民主主義者なんだ。しかし強面のイメージを作らないと、
この国を統治するのも、米帝の侵略に対抗するのも不可能なのだ。だから
不本意ながら、まったく事実と違う話を、あえて流布しているのだ」と
打ち明けてくれたそうだ。

それで叔父とフセインはすっかり意気投合し、朝まで語り明かし飲み明
かしたそうだ。別れ際に叔父と握手してくれたフセインの手は、とても
力強くて温かかったそうだ。