第1回演奏会は、ピアニスが明らかな練習不足であった。
反対派の猛烈な野次の中さらされたが、一部信者による喝采もあった。
しかし曲が進むにつれ、聴衆はぞろぞろ帰り始め(中には演奏中、思いっきり
音を立てて去るものもいて騒然とした)、最終楽章のころには、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールの
一階席には、十数人の信者が残るのみとなっていた。曲が終わると、ピアニスは
速攻で舞台から去っていった。一人取り残された高本は、「構わないでくれたまえ、
みんな僕のことをわかってくれないんだじょー、キョホホホホ」とつぶやいたという。
こうして第2回以降は中止に追い込まれたのである