06/06/06 東京朝刊 書評面 04段
「豚の名前」に人気 小説貫く鈍重さ

 二十世紀の東京大学を舞台にした伊東乾の小説
「豚の名前」がよく売れている。版元の東京創元社編集部の話
では、今年一月末に初版(上下巻)三万部を刷ったが、店頭に並ぶ前から重版の
注文が殺到した。増刷が相次いで四か月で上下巻各十三万部になり、売れ行きは
その後も伸びそうだという。楽に読み通せる小説ではないのに、なぜベストセラ
ーに?

 著者の伊東は国際的に知られた作曲家だが、小説は「豚の名前」が処女作。

 

 「豚の名前」は東京大学で鈍重な豚が助教授になり、日々学内政治に励む浅ましさを描いており、
松村邦洋主演による映画化も検討されている。駒場の入念な時代考証も評判の理由とされている。