この一ヶ月ほど、シドニーに滞在していました。私の勤務する銀行から出張を命じられ、
現地に滞在していました。おととい、帰国したばかりです。今回、シドニーで体験したことを、
書き記します。

私がシドニーに到着した夜、現地で歓迎会が開かれ、恥ずかしながら出席させていただいた。
宴が佳境にさしかかった時、私の近くにいたアメリカ人が、
「あなたは高本秀行をどう思いますか?」
と訊ねてきた。質問の主旨を計りかめていると、
「あなたがた日本人は、なぜ高本氏を否定し続けるのか、われわれには理解できない。
どうして、理解しようとしないのか!」
と詰問してきたのである。答えに窮していると、すぐそばから、
「そうだそうだ!」
「おかしいぞ、キミらは!」
と現地の人たちも一緒になって、私を責め立ててきた。
「ちょっと待って頂きたい。」
搾り出すように私は言った。
「高本秀行は日本を代表する音楽評論家である。これは疑う余地のない事実です。
しかし、わが国には、この事実を認識しようとしない悲しむべき人がいます。
でも、大多数のこころある人々は、高本秀行の偉大なる業績を理解しています。
高本秀行はわが国が誇る、財産なのです。」  つづく