【講義3】
今日は、初期から近年までの作風を決定づけるハーモニクス関連について述べよう。
「6 Capricci」がヴァイオリン史上極めて重要な作品である。
確か伊福部であったか、「人工ハーモニクスでも3分法と5分法は響きも悪いし、理論上可能ではあるがあまり有効ではない。」とある。普通はそのように考えるのが妥当であろう。
しかしシャリーノ先生は2分法、3分法、4分法、5分法の人工ハーモニクス、それに加えて天然ハーモニクスの第8以降の倍音列から醸し出される「響きの差異」に注目した。
この差異自体を作品にしてしまう根性に加えて、当時はタブーとみなされた平明な形式(繰り返し記号を使うことなど前衛の時代ではありえない)を採用することにより一躍イタリアのスターとみなされた。
フルートその他の管楽器の場合でも同様に単独で使われることは勿論のこと、ホイッスルトーンやハーモニクス同士のトリル等を用いて差異に注目する姿勢は変わらない。
ここまでは良かった。

その後、この楽器法しか使えない一種のマンネリに陥ったことが大きく異論を呼んでいるわけだ。一作ごとに適用法は洗練されてゆく一方、元々の濫作癖や弟子達の安易な影響の吐露も加わって、一種のブランドと化した。
フルートのための「Fra i testi dedicati alle nubi」に至っては曲尾にキーから指を離す音まで追求された。これを成熟と呼ぶのか、嗜好の末期症状なのか、、、
同じ技法を使うにしても、雰囲気まで前作と類似してしまうことにも批判が集まっている。

>>60問題があればこれらの講義を削除すればいいこと。但し再アップはしないので、念のため。