1984年11月のキーボードマガジンでの坂本のインタビューから抜粋
当時のポジションでの、現代音楽とかの捉え方が興味深い。

――坂本さんは東京芸大でいろんな音楽様式を勉強してきて、
結局今、ポピュラー界と呼ばれる位置に自分がいることの
ギャップについては?

 そうですねー。やっぱり正しかったんじゃないかな、現代音楽を
やり続けなかったのは。今や現代音楽っていうのは、ほとんど
音楽として機能していないわけですよね。
たまに現代音楽の作曲家なんかに会ったときなんかに聞くんですよ、
僕が知らないだけで、向こうは向こうでちゃんとやってるのかなって思って。
”どんなのがあるの?”って聞くと”全然ない”って言うわけ(笑)。で、やっぱり
質のいい人だったら、聴いてるものは同じですよ、僕らと。ブライアン・イーノ
とかジョン・ハッセルとか聴いてさ。

――自分たちはもう始めちゃったから、しょうがないって感じでね。

 そうそう。本当はやりたいんじゃないの?そういう人たちも(笑)。

――例えば今、芸大でやってることは……。

 うん、それはよく思うんだけど、今ね、音楽やりたいなーって思ってさ、
そういうところへ行くヤツはダメなヤツなんだよね(笑)。いや、ホントそう。
あの、これは別に芸大に憎しみがあって言ってるわけじゃないですけどね(笑)、
やっぱり今音楽やりたいと思ったら、ギターを買うなり、シンセサイザーを買ったり
コンピューターを買ってきたりして自分で始めるよね。そういう方がはるかに
健康的で、芸大入っても何もないんですよね、実は。