>>52
オペラや演劇も出来る多目的ホールの場合、
舞台の脇には側舞台があり、奥には後舞台があり、下にもう一つ舞台がある所もあります。
それぞれ、基本的には舞台と同じ巾、奥行き、高さを持っています。
さらに奈落やフライタワー(吊り物をぶら下げておく部分で、舞台の直上にある)もあります。
これらの容積(気積)は、巨大なもので、しかも舞台と空間的に完全に連続しています。

オーケストラ演奏の場合、こうした舞台裏空間は不要などころか、邪魔なだけです。
なぜなら、演奏の音が客席以外のこうした舞台裏空間へも漏れてしまうからです。
もちろん、音が逃げたり舞台裏から音が漏れてきたりするのを防ぐために、
専用の反響板を後ろに組み立てるわけですが、どうしてもかなりの音が逃げてしまいます。
オーチャードホールでは、過去に例がない程重量級の反響板を設置して
この問題の飛躍的な改善を試みましたが見事に失敗しました。

ワインヤード形式は、舞台を客席が取り囲む形式であり、
多目的ホールの舞台裏にあたる空間も客席として全体を囲い込み、密閉してしまいます。
さらに奈落も最小限に押さえ、ピアノなどの搬出入用程度の物しかありません。

だからホール全体の密閉性を簡単に高める事が出来、
演奏の音が外に漏れにくく、ホールの外の音も入って来にくいわけです。

どうでしょうか、こんな感じで分かっていただけましたでしょうか。