弊社のCDがレコ芸で批評されるようになって三十年だが、その間、
ワイロを贈った評論家が多いのに驚かされる。ざっと数えても
二十人はいる。威張った奴、気難し屋、臆病者、陰険な奴と
色とりどりだが、根っからの接待好きなので、CDリリースの度に
其々の評論家と接待を交わす。シャクにさわるのは、死期の迫った
志木在住の自称指揮者で、猛烈な勢いでワイロを要求する野郎だ。
我々のCDを見ると、「録音が悪い」とか訳のわからない理由で、
いつも推薦してもらえない。いつも怒ってばかりいるものだから、
顔に険があり、見ているだけで腹が立つ。評論家への土産物を持っていないとき、
遠慮して敬遠するような我々であるが、こいつだけは気に入らない。
向こうが無印ならば、こっちも負けずにレコ芸に対決の社告を載せてやる。
もうこうなったら評論家も何もありはしない。故朝比奈氏に頼んで
サントリーホールで一喝してもらうと、根が臆病なせいか、
次のCDは(朝比奈氏だけ!)推薦を付けやがった。実にトンデもない奴だ