かなり突発的にテンポをいじって、オケから帰ってくる反応を見て楽しんでいるようだ。
だから、大抵の場合、最初から最後まで緊張感に満ちている。

だが、部分部分はそのように面白いものの、全体的な設計があって、
それによって細部を作り上げていくというタイプではどうもないように思う。
瞬間瞬間の音の変化だけが彼の音楽だ。
それは美しい。
しかし、ときに「今聴き終えたのはシューマンだったかしら? それともマーラーだったかしら?」
と思わせるような、ある種の何をやっても同じ、マニエリスム的な美でもあるのだ。