日本で最初の本格的な音楽批評家は(少なくとも私にとって)、吉田秀和氏であろう。
私は氏の大部分の著作に目を通しているし、その中の一部は音楽評論というものが芸術
の域に達しうるということを示している。しかし、私はある時点で吉田秀和氏の考えには
ドイツ音楽至上主義がヨロイの下のコロモのように見え隠れするのを感じ取るに至った。
一例をあげれば、チャイコフスキーの第4交響曲を論じた一文で、氏はこの曲の数々の
美点をあげておられるが、でも結局この曲はつまらないと結論しておられる
(吉田秀和全集13、 p.117)。問題はつまらないという結論に至る根拠が全く示されて
いない点であり、私はこの始めに結論ありき式の論理的矛盾と、吉田氏が時々示される
チャイコフスキー、シベリウス、はてはイタリアオペラなどに対する偏見を考え合わせ、
私の吉田秀和氏に対する考えはやや醒めたものになっていった。
http://www.yo.rim.or.jp/~mitsuyu/syrinx/syrinx21/syr21-4a.htm

だいたい私の考えと一緒です。