このひと、どこにたどり着くかはわからず、考えないままに、
勢いよく大海原に飛び出した天才的な冒険家というイメージを感じます。
それは、この人に知性がなかったわけじゃなくて、
知性などに頼ることを潔しとしなかったんでしょうね。きっと。

長生きしたとして、どこにたどり着くことができたのか。
誰にも分からないことですが、彼の晩年の録音を聞きながら、私は時々思うのです。
どこまでも広がる無重力の漆黒の闇の中、しかし限りない階調をもって、静かに、
いつ始まるとも、終わるとも知れぬ深くやさしいうたを奏でている彼の姿を。