「世界の音楽界に影響力をもつ梶本音楽事務所が、この春から大阪では実質的な活動を停止した」とあり、「現在の大阪での貧しい集客状況では採算を取るのが難しく、撤退も当然の結果」、「またひとつクラシックの火が消える」とある。
まさか。そんなはずがあるものか。読んでみると、やはり、見出しと記事に温度差がある。
駅のキオスクに見かける芸能ゴシップの見出しの手口は鮮やかだが、この囲み記事の断定的な見出しは、身近な周辺のことだけに、お粗末だったと思う。
最終回だから気を抜いたとしたら、ばかばかしい、ええかげんにせえ、である。
東京から来て、定年で退職した前任が、大阪は厳しいとあちらこちらに言い残した言をそのままに放っておいて、後任が引き継ぐ旨の挨拶状を各方面に送らなかった梶本音楽事務所にも手抜かりがある。
しかるべきところへ挨拶回りをしたと、後になって聞いたが、ご親切にお隣りにも伝えてくれるとでも思ったのだろうか。
いまの大阪、悪いニュースの伝播はおもしろ半分もあって速いけれども、それでも、ああそうですか、でおわりだ。
記事が出た後、シンフォニーホールといずみホールに電話をかけた。反応はどうですか、話題沸騰ですかの問いに、別に…、というのが返事だった。
業界関係者の興味さえ引かなくなったのは、新聞記事の重みなのか、梶本音楽事務所の重みなのかは知らないが、いちばん恐いのは無関心である。