マジレスしよう。
小澤の音楽で気に入らないのは、音色・響きに対する鈍感さである。解釈がどうの
こうの演奏技術がどうのこうのといったところで、肝心のここがなっていないので、
(少なくとも私の基準では)評価は低い。フランス音楽が得意のように言われているが、楽曲自体に色彩感が
豊富な曲だとアラが目立たないのかな、とも思えるが、古典派、ロマン派だとそういう
点でのごまかしきかないから、「あん?」と思ってしまう。
例えてみると、ある楽曲は楽譜から想像するに、赤で彩ることがイメージされているとする。
その赤を紫に近い色にするか、淡いピンクにするかは解釈の差異だが、それを誰が見ても
「青」い色を「これが自分の赤でござい」とやっているようだ。気付いていないのか、あるいは
一部の現代芸術家にみられるような開き直りの傲慢さとでもいうべきか。そのパレットに創り出
した色を塗る塗り方、描き方がいわゆる演奏技術だが、その演奏技術だけはやたらと写実的にき
ちんと塗っているために、よけいに色彩の違いが違和感をもって感じられる。(塗り方、描き方
もデフォルメするならまだしも。)一昨年のウィーンフィルとの来日公演やニューイヤーなんか
最たるものだったね。まあ、その色彩感覚を「新感覚」ともてはやす輩はいつの時代にもいる
ものだが、後年振りかえって顔を赤らめることになるであろう。
まあ、劇場の音楽監督になって、経験を積むことによって、その辺りが良くなっていくことを
望みたいね。別に「アンチ小澤」になる必要はないし、よい音楽を聞かせてもらえるなら、ど
んな人であってもいいわけだから。