産地によっては、南向きのブドウ畑の丘のてっぺんから何段目の区画の
葡萄を使った特選品とかいうとびきりの極上品なんてのがある。貴族趣
味もここに極まれりというところだが、紅茶なんてのにもそんなプレミ
ア品があるのには笑える。そういう葡萄畑のある農園・醸造所はきまっ
て旧貴族所有で、未だ貴族制度のある英国なら、英国王室御用達なんて
いう、日本でもよく見かける売り文句があったりして、これまた大笑い
できる。
まあ、高級ワインを身銭を切って飲む方々は、旧貴族のオーナーにたん
まり儲けさせて、仮にその元貴族がクラ演奏家や作曲家のパトロンにな
っているなら、ワインを飲んでクラ音楽家を育てていると自慢できるの
だろうが、ベト以来の優秀な作曲家・演奏家はそんなパトロンを否定し
て音楽家として経済的に自立する道を選択したところから始まっている。
まちがっても、高級ワインとクラ音楽愛好とは別物だということを記し
ておきたい。料理は芸術と呼べるけれど、ワインは匠の技もさることな
がら、自然からの贈り物だ。大量にできるのなら他所に回しても良いが、
本当なら地元で享受すべきものだ。金に飽かせて銘酒を奪っていくのは
どうかと思う(一部の元貴族の所得が増えるだけ)。