で構造的の件ですが、構造を分析する能力と構造を楽曲解釈のベースに据えて演奏
することは別だと思うんですよ。
構造的って、若干誇張して書けば楽曲を音の構造体/音符の集積体として解釈に
おいて解体し演奏によって再構築するアプローチ、となる(と思う)んですが、
クレンペラーのアプローチは、楽曲を音の構築物として全体のフォルムをどう
とらえるか、というものであって、音符や小節単位でのミクロな構造に焦点を
あてるものとは全く異なります。
例えて言うなら、構造的アプローチがそれぞれの部材の力のかかり方を綿密に
検討して組み立てていく近現代建築的なアプローチであるのに対し、クレンペラー
のは全体を大きくつかんで形を決めていく彫刻的なアプローチなんでないかと。
ゆえに結果としてマクロな構造、全体のパースペクティブが明快になっている
からといって、それだけで構造的というのは違うんでないかい、と思う次第。

ちなみに対象物の構造を知らずにまともな彫像を作れるとは思いませんし、楽曲の
構造を無視してフォルムを決められるなんて言うつもりもありません。