プロの演奏家諸君!暗譜したまえ
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0363名無しの笛の踊り
02/10/17 09:57ID:???なぜ楽譜を置いて演奏するのか
かなり前から直感的にそうすべきだと思っていましたが、
演奏会で楽譜を前に置くことに決めたのは、残念ながら大分経ってからでした。
現在ほどレパートリーが広くなく、また複雑でなかった時代には、
慣習として楽譜を見ながら演奏していたのですが、これはまるでパラドックスのようです。
この賢明な慣習は、リストによって中断されました。
今日の時代、頭脳は音楽でいっぱいになっている、というよりも、
不要で過剰な情報が詰め込まれすぎて、頭脳そのものを疲れさせてしまう危険性があります。
聴衆の心に触れる良い音楽を作らなければならないのが第一の問題であるべき時に、
無駄な努力の原点となる「暗譜」というこの記憶力の競争の類は、まったく子供じみて空疎なことです。
これは悪い慣習であり、親愛なるゲンリッヒ・ネイガウス教授が強く非難していた、
偽りの栄誉です。
聴衆を騙し、音楽を荒らし回ってしまう、演奏家の「自由」と「個性」の放縦さは音楽そのものに対する尊敬の念と、
謙虚さの欠如から来ているのに過ぎないのですが、楽譜は、演奏者をある秩序へと絶え間なく呼び戻し、
その放縦さに歯止めをかけるでしょう。
もちろん、楽譜を前にして完全に自由であることは、容易ではありません。
それは多大な時間と努力、練習と慣れが必要であり、だからこそ出来るだけ早い時期から始めなければならないのです。
この健全で自然な方法を採り入れることは、相も変わらぬレパートリーで我々ピアニストと聴衆を一生退屈させないばかりではなく、
自分自身のためにも、より豊かで変化に富む音楽生活を想像できるのだということを、私はここで若いピアニスト達にアドバイスしたいと思います。
村上輝久「いい音ってなんだろう」
〜あるピアノ調律師、出逢いと体験の人生
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