だって凱旋行進じゃないか! リヒテルの演奏に勝利の歓喜はないよ。そもそも
そういう晴れ晴れとした感情の苦手な人だったんじゃないのかな、リヒテルは。
ついシニカルになってしまう気がする。シューマンは違う。躁の時には躁。

それに、あの第2楽章の、16分音符の単位できめ細かく噛み合わせて構成される
リズムをキチンと演奏できる人は少ないでしょ。技術的に見てもリヒテルはそう
いう細かい噛み合せを正確に弾くのは得意じゃない。音の減衰を短くコントロー
ル出来ないからどうしてもルーズになってしまう。ああいうのは他の作曲家はあ
まり書かなかったし、きっと現代のポピュラー系のピアニストの方がずっと上手
いんじゃないかな? グールドが弾いたらきっと素晴らしかったかもしれないな。