・夏目漱石、芥川龍之介、中野重治、etc...といった当時の
近代文学の伝統(主に個人の自我と社会の関連を扱った)と無関係な作風。
後につづくものすらない、一代かぎりの才能。
・宗教家、科学者、教師、音楽家、農民、詩人。多面的な人物像。
・非常に理想家。啓蒙大好き。やりたかったこともやり残したことも多数。
・「氷のようなmisanthropy(人間嫌い)」と「伝説的な愛情深さ」。
・表現はきわめて平易。作品はとてつもなく深遠。
・情動と理性、両極の同居するスタイル。
・「ただならぬ緊張感」「たぐいまれな構築性」「この世ならぬ純粋さ」←批評の常套句
・上京はするも故郷に戻る。
・いつも同じ服。麦藁帽子と農民コートがトレードマーク。
・食事嫌い。動物も植物も、それを食べねばならぬ人も哀れ、といって。
・モーツァルトよりベートーベンが好き。
・色白、猫背。普通の人と違う、特徴的な所作、歩き方をしたらしい。
・実は見栄っぱりでけっこう意地悪な「道化」だったという周囲の証言あり。
・生涯独身。
・早死。親より先に死ぬ。
・死後も忘れられる気配がない。

まあグールドだって、人物としては、ド田舎トロントのイモおやじなんだよね。
でも作品に泥臭さや古臭さが全然ないのは、賢治もおなじ。

「読者はあなただけですと錯覚するくらい、直に語りかけてくるスタイルを
持っている。ほんとに自分が選ばれた、たった一人の読者だというふうに錯覚します。
これは天才が全部自然に持っている緻密な作戦、いや才能なのでしょう」by井上ひさし