CDでしかシフラを聴いたことがなかったとき、
先入観もあるせいか、
汗だくになって手を高々と上げて、
鬼のような形相でピアノに
襲いかかっている姿を想像していたが、
実際はそんなことはなかった。
体を無駄に動かさず、それでいて
音には十分な表現力があった。
何より、自分の演奏を楽しみ、音楽を楽しみ、浸り、
酔いしれている一人の偉大なピアニストに見えた。