合併後に私が聴いた東フィル定期の中では、ダントツに良かった
と思います。個人的には、今年になっての在京オケではベスト。
あれだけショスタコを鳴らし切って、しかも深刻さだけに溺れず、
曲の多面的な性格を抉り出した実演には、なかなか出会えない
でしょう。滑稽な箇所は本当に頬が緩むくらい可愛らしく、一方で、
圧倒的に響き渡るフォルテの魅力も言うことなし。指揮者の享楽的な
キャラクターがいい方向に作用したと思います。アンサンブルも、
普段とは段違いによかった。1・4楽章とも、最後の最後まで
イン・テンポだったのが印象的。最後を猛スピードで駆け抜ける
スタイルは少数派なのでしょうが、やはりこの方が曲に相応しいと
感じました。

褒めるだけでは却って不審がられるでしょうから言っておくと、
私の好みからすると、3楽章だけは、もう少し厳しさのようなものが
欲しかったですが、まあこれは無いものねだりというものでしょう。