威信に陰り 国際音楽コンクール
「個性より技術」、参加者に偏りも

先月モスクワで開かれた「チャイコフスキー国際コンクール」は、ピアノとバイオリンの両部門で日本人が最高位を獲得した。
国内では「快挙」と騒がれたが、コンクールがひしめく欧州では「キャリアの入り口」との冷静な見方が一般的だ。この温度差の背景を探ってみると−−。(上坂 樹、吉田 純子)

 「チャイコン」といえば、かつてクライバーンやアシュケナージが輩出した名門コンクール。しかし、その権威は、特に西欧で凋落(ちょうらく)気味だ。

 伊、仏、独などの有力紙は、今回の結果をほとんど報じていない。独「Die Welt」の音楽担当マニュエル・ブリュク記者は
「ドイツではローカル紙の話題。たとえ国内から入賞者が出ても、載せるのは名前程度」とクールな反応だ。

 「コンクールの歴史は東西冷戦の歴史と奇妙に符合する」と音楽評論家の渡辺和彦さんはいう。
 音楽業界の青田買いで急増した西側のコンクールに、社会主義国が国の威信をかけて対抗するという構図だった。東西の壁が崩れると同時に、コンクールも変化を余儀なくされていく。

 チャイコンの場合、ソ連時代の末期から経済状況が不安定になり、コンクール主催者は、十分な国の支援が得られなくなった。
 資金繰りが悪化し、年会費が払えずに各国のコンクールが加盟する「世界国際音楽コンクール連盟」から、一時期脱会したこともある。参加者も西欧の若手は敬遠気味、最近はロシアとアジア勢に偏りがちだ。

朝日新聞より。続きは、http://www.asahi.com/culture/music/K2002070900015.html