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 バラード第1番、ト短調の冒頭部分には、一種の前置きの場面が設定され、それに
続く音楽の干満においては、連続した強い音がクライマックスへと導くのを見れば、
物語が音楽的に語られているのが、私にはすぐわかる。
 いわゆる、掛留音が、序奏部の最後の和音における音の衝突(バスのニ音とアルトの
変ホ音)により告げられるのであるが、何人かの著述家たちは、今世紀の人でさえも、
ミスプリントかもしれないと思った(※註)これは明らかに、作品の主要部において
行ったり来たりする2つの調性、ト短調と変ホ長調の混合である。
 主要部では、哀願(最初の部分)と拒絶(次のアジタート)のどちらを選ぼうかと
思い悩んでいる。

※ アルトがニ音になっている版がいくつか見られる。アルトのニ音は、ドイツの初版に
由来するものであり、ショパン自身により記された可能性もある。しかし、ショパンが望んで
いたのは、変ホ音であり、サン=サーンスの発言以来、この変ホ音が定着している。

(アーヴィング・コロダンの談話より)
ちなみに私も上の解釈を尊重し、変ホ音で演奏していました。