2月14日バレンタインデー。
今年も誰からもチョコをもらえなかった。
失意の元、とぼとぼと独りで家へと向かう俺の肩を誰かが叩く。
うつむきかげんの俺はゆっくりと振り返る。

「ねぇ、また誰からもチョコもらえなかったんでしょ?」

そこにいたのは幼なじみの庄司。

「う、うるせえな、オマエには関係ないだろ!」
「もう、怒んないでよ。……こ、これ」

そう言って俺に、赤い包み紙にピンクのリボンの付いた
箱を手渡し、急いで走り去る庄司。

「お、おい、これ……」

50メートルくらい行ったところで急に振り返る庄司。

「勘違いしないでよね!」

そう言う庄司の頬が、心なしか赤く染まっていたように
見えたのは、俺の見間違いではないだろう。