前に、ヘレには自己主張がない、という話があったけど・・
たしかに自己主張というのはないかもしれないが、
しかしある意味、おっそろしく個性的なバッハ演奏してるのかもしれないよ。
少なくとも、ヘレのようなバッハというのは、よそを探してみても、
ありそうでいて、じつは皆無。

以下は私の個人的な感想。
バッハじゃないけど、昨日パーセルの"Remember not, Load, our offences" 聴いてて、
thou hast redeem'd with thy most precious blood の precious blood のところ、
まさに息を飲むほど美しく、陶酔的であることに、いまさらながら驚いた。
キリストによる罪のあがないに対して、おのれの罪深さを悔いてひれ伏すのではなく、
むしろ、キリストを心から信頼して、まるで赤ん坊が母親の乳=生命を飲むように、
信徒としてキリストの血=永遠の生命を(言い方悪いけど)うっとり(゚д゚)ウマーと飲んでるみたいだ。
ヘレの神はなんだか厳父というより慈母みたいな印象を受ける。
そのあたりに(見当はずれだったらゴメソ)カトリックっぽさを感じる。

自己主張はない。
陶酔の極にあるとき、自己は対象と融合して消えている。
だからヘレの演奏に自己主張はない。それだけ。
指揮者としての個性がないというのとはまったく違う。