傑作なのは、その吉田秀和が同じ著書の中で、ピエール・モントゥの指揮した
ワーグナーのディスクに触れている箇所で、フルトヴェングラーやクナのワー
グナーを引き合いに出しながら「ワーグナー演奏に一つの様式しか認めないこ
とは誤りなのであって、フルトヴェングラーもモントゥも、共に全く異なる演
奏様式に属していながら、それぞれの様式の中で極めて高い完成度に達してい
るのである」などと書いていることだ。これも笑えますな。