この論争はさんざん繰り返されてきてるのでどこまで行っても平行線だとは思うが、
実演に触れたことのない者が議論してはいけない、
という言説は論外だと思うし、単なる程度の低い煽りでしかないと思う。

傍観者氏のいうことは理解できる。
私は幸いにして一回だけチェリビダッケの実演に触れる機会があり、後日その録音を
聴いたことがあるのだが、そのときに録音で抜け落ちてしまうものの多さに愕然とした
記憶がある。こんな経験はチェリビダッケ以外ではなかった。

こういう言い方をすると、実演に触れたことのない人にとっては
非常に不愉快に思うのかも知れない。
しかしもはやチェリビダッケの実演に触れることは出来ない、
という点では今や皆等しく同じ境遇にある。

チェリビダッケが録音を否定していたのは事実だし、また録音が限られた情報しか伝えないのも事実。
今で回っている海賊盤や正規盤はチェリビダッケが生きていたら全部否定するだろう。
それはわかっている。わかっているんだ。

でもね、


聴 き た い ん だ よ。 俺 は。 チ ェ リ ビ ダ ッ ケ を。

たとえそれが膝撮りで劣悪な録音であろうと。
実演の何十分の一しか情報の入ってない録音だろうと。

一期一会。チェリビダッケを聴くときは、俺にとっていつも一期一会だ。
ひょっとしたら2度と聴けないかも知れない。そう思って聴いている。

以前は、ある種の引け目を感じていた。だが、いまではチェリビダッケも
わかってくれると勝手に思っている。