あ、じゃあ、もうちょっと説明してあげましょうか。
案ちゃんがゴルトベルクで使っている楽器はレコードでも
演奏会でも、ケネディのミートケですね。シャルロッテンブルクの
コピーです。構造はおわかりだと思いますが、二組の8フィートの
プラッキングポイントが非常に接近してます。つまり、8フィートの
音色の差はほとんどない。ところが、彼の弾き方は基本的に
繰り返しのたびにレジスターをいじるやり方。音色のコントラストで
聞かせる方法です。音楽そのものの呼吸や、緩急で聞かせる弾き方じゃ
ありません。opusの録音で惑わされる人が多いんですが、
あれは、プレクトラムを短くしてできるだけプラッキングの騒音を
減らした上で、オンマイクで録っています。こうすると
えらく美しい音に聞こえるんですが、あの音が聞こえるのは
蓋の中に頭を突っ込んでいる人だけで、実演には耐えません。

演奏方法と楽器の選択という二つの点で、実演ではまったく聴衆を
納得させることができませんでした。以上。