・朝比奈隆指揮NHK交響楽団
ブルックナー/交響曲第9番(5月26日NHKホール)

 これも何故か行くことになってしまったコンサート。90歳を超えた指揮者が
棒を振るので見に行ってみたいという弁解をしているが、曲が悪すぎた。ブルッ
クナーの第9交響曲は私が最も愛する交響曲のひとつでCDやエアチェックテー
プで少なく見積もっても数百回は聞いているし、スコアも相当によみこんでいる
自信がある。この日お朝比奈には全体を統括するというブルックナーの指揮に
は不可欠な仕事ができておらず、第1楽章第1主題を聞いただけでこの演奏は悲
惨になるという覚悟ができた。スケルツォのリズム感・テンポ感の悪さも気
分が悪くなるほど・・・。最後まで真面目に聞いていたら頭に血が上ると確信した
私は眠りについてしまった。寝息で両隣の友人に迷惑をかけたようである。こ
の場で陳謝したい。
 ただ、この演奏とヴァントの演奏の両方を聞けた幸運な人にはよく考えても
らいたい。ヴァントの演奏にあって朝比奈の演奏にはないものを。それが分か
れば自然とブルックナーの演奏において重要なことが分かってくるであろう。