若き日のラヴェルがフォーレに献呈した傑作『弦楽四重奏曲』。
しかし、当のフォーレはこの楽曲にあまり感銘を受けず、書き直しを示唆するコメントをした。
それを受けてラヴェルがスコアに手を加えようとした事を聞き、ドビュッシーは書簡を送ったという。

『音楽の神々と私の名にかけて、あなたのそのスコアに一切手を加えてはなりません』

これは、ドビュッシーがラヴェルに見せた最後の親身な発言だった。
その後、二人の仲は急速に疎遠になっていった。