>782
冒頭に独奏ピアノが、鐘のような響の、暗く荘重な和音を八小節にわたって弾く。
これはしだいに強さをまして分散和音に分解したところで導入楽節が終り、ピアノ
がアルペッジョをつづけるのにかぶさって、管弦楽に力のこもったハ短調の第一主
題が現れる。これを受けてチェロに現れる譜例3(略)のような主題を中心にした
推移がおだやかに進行し、ピアノは依然アルペッジョ音形をつづけるが、終りごろ
には主題の旋律を受けもつ。ウン・ポーコ・ピウ・モッソでピアノを中心とした走
句となり、その末にあらあらしい全合奏がきて、第一主題部をしめくくる。つぎに
ヴィオラにみちびかれてピアノが単独で奏する変ホ長調の第二主題(譜例4・略)
は、甘くセンチメンタルな感覚にあふれたもので、最もラフマニノフ的な旋律の一
つ。(以下略)

出展は756