「オケ・ビジネス」盛況 ロシア
クラシック音楽の世界では、演奏家やオーケストラの水準の高さで知られるロシア。
外国の音楽家にとっては、一度は共演してみたい魅力的な存在だ。一方、ソ連崩壊
前後からの経済混乱でロシアの演奏家の台所は火の車。そこで、「ロシア・ブラン
ド」を使った“にわか仕立て”のオーケストラなどを、外国の指揮者やピアノ、バ
イオリンのソリストたちに安価で用立てるビジネスが、モスクワでひそかに繁盛し
ている。
 「そんな名前、聞いたことがない」。ロシアきっての名門・国立ボリショイ交響
楽団(BSO)のシャラショフ事務局長は首をかしげた。今年1月、日本人の若手
女性指揮者が「ロシア国立ボリショイ交響楽団の首席指揮者に就任」と日本で話題
になった時のことだ。調べてみたら、実は「ロシア・ボリショイ交響楽団ミレニウ
ム」という、BSOとは無関係のオケとわかった。「国立」でもなく、昨年5月に
新設されたばかりの民営オケだった。そこの芸術監督とされているロシアの著名ピ
アニストに聞くと、意外な答えが返ってきた。「頼まれて名前を貸しただけ。注文
があればメンバーを集め、その時かぎりの演奏会をやる楽団だ。日本人には申し訳
ないが、それが実態だ」