(つづき)
LPの再生ではカートリッジでMM型かMC型かという論争がありました。これには前者が電圧発生機
であるのに対して、後者は電流発生機=発電機という違いがあります。電圧ベースでの波形特性で
はるかに優れるMM型に対して、最終的には高級ファンの間ではMC型が支持されていたのはご存知
かと思います。アナログ時代の再生装置には電流増幅という基本的な考え方が元々あったのですが、
一時期Hifiと言われだしてから波形特性を求めるあまり電圧ベースで捉えることが流行しました。
結果として「きれいなのだがこころに響かない」というような声が多くなったと記憶しています。
エネルギーが不足していたワケです。

デジタルでは音楽信号を一旦エネルギー値=0の「データ」に置き換えてしまいますから、その再生
に必要な全てのエネルギーを0から作らなければなりません。僕はエンジニア氏が>>557で言われた
「相似形」でない形にしてしまうことで失われる大切なものとは、エネルギーだと考えます。変な喩え
かもしれませんが、同じ水を加えて戻すにしても、濃縮スープかフリーズドライかの違いのようなもの
でしょうか。後者の方が、加える水の質によりシビアであるように、デジタルではD/A出力以降の電流
加速=エネルギーのコントロールは最終的な音質にとってよりクリティカルな問題になると考えます。

今日びのオーディオマニアが、門外漢には狂気の沙汰としか思えない大金をスピーカーケーブルや電源
ケーブルにつぎ込むのは、デジタルオーディオの問題点を考えると全くのナンセンスどころか正鵠を射
ているとも考えます。まあ、その金額はともかくとして。(W