つまるところLPはあの曲を聴くまでの煩雑な手間が良いのだ。

ジャケットからディスクを注意深く取り出し、ターンテーブルに
そっと乗せ、クリーナーで注意深く埃をはらい、針を微調整し、
盤面に針を落とすやいなや、抜き足差し足急ぎ足ですばやく
リスニングポイントのソファまで戻る。当然一度聴き始めたら
身じろぎなぞできない。大きなジャケットの美しいデザインを
眺めながら、しばし「音楽を聴くこと」以外の何もできない
贅沢な時間を過ごす。

CDと比べて音質がどうかだって?
そんなものは関係ない。LPをかける儀式が、音楽への渇望を
いやがうえにも研ぎ澄ます。音盤から流れ出る音に、そばだてた
耳は「すべて」を聴き取ることを可能にするのだ。

LPで「音楽」を聴くこと、そこにあるロマンが失われてしまったことが
現在のオーディオ文化の衰退の主因であろう、と俺は考えている。


・・・・と、くだらない理系人間どもに喧嘩を売ってみるテスト。