【講義28】
よっしゃ、講義始めるで。今回はスクリャービンや。
スクリャービンちゅうのは、ワーグナーと並んで親戚におったらやなタイプやな。
「やりたいこと全部やるんは、やりたいこと全然せえへんより難しさかい、高尚や」て
言いよったんやで。そらそうやけど、なんちゅうことヌカスんじゃ!って思うわな。
ところがや、このオッサンの書いた曲が、信じられんくらいきれえなんやな。
芸術の魔性っちゅうやっちゃろな。
後期ロマン派の最後に来て、時代はちょっと相前後するけど、R.シュトラウスが
完全に熟し切った果実やとしたら、スクリャービンちゅう果実は、もう熟し過ぎて、
地面に落ちてしもたんやな。下手したら腐ってるかもしれん。ところが、食ったら甘いんや。
ピアノ協奏曲。2楽章の第1主題なんかもうため息出てしまうわな。
確かにショパンの影響受けてるっちゅう感じもするけど、チャイコフスキーなんかが持っとる哀愁もある。
ところが、そっから別の世界行きよるから大したもんや。神秘主義、神秘和音て言うわな。
この辺なると、いろんな本読んで勉強するしかないねんけど、時代がすごい。
なんちゅうてもロシア革命の前夜やさかいな。交響曲5番「プロメテウス」。
これ、ドビュッシーの雰囲気も加味されてへんか?もちろん、それだけやないし、
別の要素の方が多いんやけど、この曲のピアノの扱いなんか、ドビュッシーの持ってる妖しい気分がある。
ほんで、最後にコーラス出てきよるわな。辺境の秘儀っちゅう感じや。ワシはドビュッシーと同じように、
ただ音に浸るように聴いてんねん。考えても分からんって、スクリャービン本人も言うとるしな。
ほなな。次回はエルガーを取り上げる。