【講義11−3】
よっしゃ講義始めるで。ワーグナー補講の2回目や。
前回、ラインの黄金のさわりの話ししたけど、今日はベルリンの日本公演について触れる。
お前ら、オペラ観に行くと、始まる前とか休憩時間にオケピット見に行くか?
これなあ、恥ずかしい話しやけど、ワシ毎回見に行くねん。編成とか気になるしな。
左奥にコントラバス8本、右奥にハープ6台。ええもんやな。
いかにもワーグナーが始まるっちゅう感じでワクワクする。
ワーグナーに限らずオペラはどんなに演出がよくても音楽がダメならどにもならん。
肝心の演奏についてやけど、正直言うて、ベルリンのオケってもっと巧かったんちゃうかな思た。
木管やホルンのミスは決して少ななかった。まあ、そう言うても、
全体的には世界でトップクラスであることには変わりない。
前奏曲の出だしの低弦かてズシッとくるしな。
1つだけここで例を挙げると、第4場で、ファフナーに指環やってしもた後、
ドンナーが「うりゃあ!陰気やのう、雷でも落としたたろかい!」ちゅうて朗々と
歌うところあるな。あの場面で、高弦がフヒャフヒャフヒャってやるやろ。
分かりやすう言うたら、スラーがかかった6連符やな。ああいう所で底力が出てくんねん。
1st、2nd、ヴィオラとそれぞれ6パートくらいに分かれるな。ここで音の粒が揃わんと、
1枚の布にならへん。下手なオケがやったら、ガックン、ガックンしてもて、免許取り立ての
オバハンがマニュアル車運転してるみたいになる。こんなこと音楽の基本中の基本やし、
プロのオケ入ってる人からしたら、ワシみたいな素人が「何ぬかす。釈迦に説法じゃ!」
て言うやろな。けど、多くの演奏でカッと出てこえへんのも確かやで。
さすがに、ベルリンは見事やったと思う。ああいうのは、CDではなかなか聴きとれへん。
やっぱりナマで聴かんとな。ただ、1音1音聴き取れ、言うてるんやないで。
粒が揃ってるからこそ、1枚の絵として美しくなるんや。写真でも粒子の細かい方がなめらかに
見えるのと一緒や。絵に例えたら、またいろいろ言われるやろから言わへんけど、分かるやろ?
バレンボイムについては、別の機会で触れる。ほなな。