とは言え、残されたライヴ録音は、たとえば1966年のベートーヴェンなど、音質
の悪い海賊盤で聴いても実に素晴らしく、長らく正規盤の登場が待ち望まれていた
のですが、今回リリースされる《田園》ほかのプログラムは、海賊盤すらなかった
という貴重なものなのが嬉しいところ。しかもリハーサル付きです。
 実演でのクレンペラーの音楽には、スタジオ盤同様の力強く建築的でスケールが
大きいという魅力に加え、柔軟な表情付けやアゴーギクが感じられるのが大きな特徴。
 さらに、当時のEMIの方針のせいか(?)、スタジオ盤では抑え目だったティンパ
ニが、ライヴ録音では本来のバランスで収録されているケースが多いのも朗報です。